米国化!欧州化!いや。。

今週は天皇賞ですな。何か、好きですね。このレース。
アメリカ化されつつあるJPNレーシングプログラムの中、
ギチギチながら日本古来の無骨というか、タフというか、
サムライなレースな気がするのです。
ヨーロピアンレースという呼び声も多々あるけども…。


元来日本人という民族の気質は、アメリカよりも欧州に近い。
アメリカと日本人は本来、絶対に相容れない関係なハズのだ。
アメリカは基本的に力技一本で来る感がある。
だからフットボールを手ェ使ってやり始めたりするし、
バスケみたいな分かりやすいルールのもんが流行るのだ。
銃が8ドルで買える。そんな事実がまかり通る国と国民性が似るわけがないのだ。
競馬も然り。
……のはずだった。

日本はどちらかというと中距離〜長距離が強い、そういう思想があった。
かつての八大競走で見ても、ダービーも菊花賞も有馬も長距離の部類だし、
牝馬も昔はもっと眺めの距離が主流だった。今は中距離までが主体だ。
80年代から距離体系がしっかりと整備がされ、短距離戦線の見直しが図られた。
そしてピロウイナーやらバクシンオーがスペシャリストの価値の高さを証明した。
ここに、社台グループの功績が加えられて日本競馬のアメリカ化が本格化する。
サンデーサイレンスによって、「パワー」と「スピード」がタフネス競馬に侵食を始めたのだ。
この結果、「強い馬は瞬発力ありき」という、アメリカンなスピード競馬化が促進される。
トニービンブライアンズタイムが叩こうとしていた新しい扉を、
サンデー軍団は蹴り飛ばし、勝手口から入ってきたのだ。しかも大挙して。


シンザンを超えるどころか、昭和の日本競馬をぶっ壊したといっていい。
シンザン最強伝説をぶっ壊してしまったといってもいいだろう。
「タフネス+技術=強い」というサムライ的発想がなくなってしまったのだ。
結果「パワー+瞬発力=強い」が主となる発想が、日本競馬の血統の中枢になった。
その功績が、レベルの向上であり、近代競馬の結晶ディープなのだ。


しかし!!忘れちゃいけない。ディープインパクトの父は、確かにサンデーサイレンスではあるが、
母方は「欧州の弩級タフネス長距離血統」なのだ。
これは良い訓戒だ。
日本近代競馬の結晶は「欧州+米国」の血統を日本の調教によって精錬されたものなのだ。
これからは、米国化と欧州化のバランスを保ち、日本元来の無骨血統も残し、
新しい日本らしいケイバのスタイルを作り上げることが、「世界に名だたるジャッパニーズ・ケイバ」
への最短ルートのような気がする。



さーて、天皇賞の話をしましょう。ようやく。しましょう。
去年のディープによる3分13秒4っていうレコードは、
マヤノトップガンのレコードを、10年ぶりに、丸々1秒更新したわけです。
こんなすごいレースは滅多にないです。
滅多にないから、このレースは荒れるんです。
今回の人気どころは何ですか?
サムソン?アイポッパーネヴァブション

俺はマツリダゴッホトウショウナイトがいいなぁ。
めっちゃ面白いのはサクラキングダムですよ。
ローレルの息子。条件馬。勝ってくれたら俺はミラクルおじさんになれる。