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シナリオ作成にあたって、ディストピアという言葉を調べた。
ユートピアは有名な言葉だが、ディストピアとなると知名度はグンと下がる。
そもそもユートピアは、トマスモアとかいう、かつての博学が唱えた、
海に浮かぶ理想の国。つまり理想の社会体制を持った空想の国家モデルの事のようだ。
ただ、この理想と言うのが遥か昔、フランス革命近辺の事らしい。

トマスさんが唱えた理想の国家モデルは…
「完全なる秩序を持ち、ほぼ全ての人間が平等である国家」
早い話が社会主義・共産主義の社会である。

ディストピアっていうのは19世紀から20世紀にかけて、
出てきたアンチユートピア論者が打ち立てた表現。
つまりはユートピアってどうなん？って思った人達の批判が生んだ言葉。
ソビエトなり何なりが実際にユートピアな政治を行った辺りから、盛んになる。
ディストピアは、表面上は皆平等で秩序を持った完璧な社会。
しかし実情は徹底的な管理・統制により個々の本来の自由は奪われた社会で、
自らの政治体制を情報操作によって「理想社会」として国民を洗脳。
反対勢力は治安が社会から排除する。と言った社会モデルである。
早い話が、表現の違いであり、ユートピアもディストピアも、いわば同じモノなのだ。

ユートピア＝理想郷と思っていたんだが、どうもこれは東洋人の理想郷…
つまり桃源郷とか極楽とか、そういう思想と頭の中でごっちゃになってるんやな。
ユートピアってのは、一種の政治用語みたいなもんなんやろう。

何で、こんな言葉を上記のシナリオのタイトルにしたのか。
そりゃ、この資本主義の世の中だって社会主義主流の時代にゃ理想社会モデルだったからだ。
結果として、今この国じゃ貧富の格差がドンドン開いている。
どこにも理想郷なんてないし、後生現われん。
不幸な星の下に生まれた人間は、やっぱ不幸やし、その中で我がの生き方を模索するしかない。
貧乏な俺から見たら、
「中流階級が漂々と生きとる現状もすでにディストピアじゃい！」って事です。
逆ディストピアみたいな、そういう発想ですね。
何で俺は貧乏でこんな苦しんでるのに、汚いオッサンはしこたま金持って女買ってんねんと。
人間関係下手な人間が無難な発想で教師やって、金稼いでええ家で贅沢してんねんと。
それなら一周して、ユートピアがえーわー。みたいな。
結構深いよ。